無視・放置OK!YouTube著作権侵害の申し立てメールが届いた時の対処法

2021-03-25
Youtubeクリエイター
YouTubeから届く通知メールの中でも、ひときわ動揺しやすいのが、著作権侵害の申し立てメールです。「著作権法に抵触する内容の動画を投稿したのではないか」と、突然の通知に焦ってしまうことも多いでしょう。

しかし、多くの場合、この通知は放置や無視をして構いません。

今回は、放置や無視をしてよい理由や、著作権侵害の申し立てを解除する必要があるケースについて解説します。

YouTubeの著作権侵害の申し立てとは


YouTubeに動画を投稿していると、運営から「著作権侵害の申し立て」というメールが届く場合があります。

その文面は次の通りです。


Content IDを使用している著作権所有者が、お客様の動画に含まれている素材を申し立てました。
【これは一般的なお知らせのメールです】
問題が発生しているわけではありませんので、アカウントの状態への影響はございません。
動画に広告が表示されて著作権所有者が収益を受け取っているか、または動画の視聴回数についての統計が著作権所有者に送られています。
【次のステップ】
問題がない場合、対応は不要です。動画を削除する必要はありません。
なんらかの問題があり、著作権所有者またはYouTubeのシステムの誤認である場合は、異議申し立ての手続きを行うことができます。なお、この手続きを使用するのは、動画に含まれているすべてのコンテンツに対してご自身が使用権を所有していることが明らかである場合のみとしてください。


文面に記載がある通り、一般的なお知らせの通知です。

ただ、「問題が発生しているわけではありません」と記載されていますが、いきなり「著作権侵害の申し立て」というタイトルでメールが届いて驚くケースも多いのではないでしょうか。中には、驚いて動画を削除してしまう場合もあるようです。

しかし、これは著作権所有者が問題を指摘したのではなく、あくまでYouTubeのシステムが自動的に内部のデータを照合しているに過ぎないため、基本的にはメールを無視して構いません。

「著作権侵害の申し立て」と「著作権侵害の警告」の違い


「著作権侵害の申し立て」のほかに、「著作権侵害の警告」という件名でメールが届くこともあります。

この「著作権侵害の警告」のメールが届いた場合が注意が必要です。このメールが届いたということは、自分が投稿した動画に対して著作権所有者が問題を指摘しているということです。


  • 著作権侵害の申し立て:著作権所有者が問題を指摘しているわけではない

  • 著作権侵害の警告:著作権所有者が問題を指摘している



投稿した動画が著作権侵害の警告を受けると、強制的に視聴不可の状態になります。

警告は最大3回まで行われ、それでもガイドラインに反するような内容の動画を投稿するとアカウントが強制的に削除され、最悪の場合は著作権侵害で訴えられる恐れもあります。

YouTube著作権侵害の申し立てメールが届いた時の対処法


YouTubeから届く著作権侵害の申し立てメールは、文面が非常に分かりづらいことが特徴です。

そこで、特定の文面を紹介しながら対処方法を考えていきましょう。

原因は動画に使用している音源素材


メールの文面にはまず、「Content IDを使用している著作権所有者が、お客様の動画に含まれている素材を申し立てました」とあります。

Content IDとは、YouTubeに搭載されている著作権管理システムです。音楽や映画などの著作権所有者は、このContent IDのデータベースに作品を登録できます。

ほかのクリエイターが動画を投稿すると、システムがデータベースの照合を行い、著作権侵害に該当しないかをチェックする仕組みです。もちろん映像だけではなく、動画に使用されている音源素材の照合も行います。

映像そのものは独自に撮影したものでも、他人が公開した音源素材を使用している場合は、このContent IDを使って照合が行われます。

許諾済みの素材なら無視や放置で回避可能


メールの文面には次に、「問題が発生しているわけではありませんので、アカウントの状態への影響はございません」と記載されています。

これは、Content IDが照合を行った結果、投稿した動画の音源素材がデータベースに含まれた著作物とマッチングしたため、通知を送ったということです。実際の著作権所有者が問題を指摘しているのではなく、あくまでシステムによる自動通知メールであることを含んでいます。

許諾済みの素材なら無視や放置で構いません。動画を削除する必要もないので安心してください。その次のメールの文面にも、「問題がない場合、対応は不要です。動画を削除する必要はありません」と記載されています。

場合によっては異議申し立ても可能


著作権侵害の申し立てメールの最後の文面には、「なんらかの問題があり、著作権所有者またはYouTubeのシステムの誤認である場合は、異議申し立ての手続きを行うことができます」と記載されています。

Content IDはあくまでAIシステムなので、常に完璧にデータベースを照合できるわけではありません。ときには正規の著作権所有者以外の人が権利者登録されてしまうこともあるため、そのような場合は異議申し立てができます。

異議申し立てを行うケースはもう一つあり、それがYouTubeで収益化を行うときです。

収益化できない?YouTube著作権侵害の申し立てを受けた際の注意点


YouTubeから著作権侵害の申し立てを受けた場合は、その動画において収益化ができないので注意が必要です。

申し立てを受けると収益化の申請をしていないのに、勝手に動画内に広告が流れます。その広告収入は音源素材の著作権者が受け取るので、クリエイター自身が収益化できない、という仕組みです。

YouTubeで収益化するには、異議申し立てなどの手続きで著作権侵害の申し立てを解除する必要があります。

YouTubeの著作権侵害の申し立てを解除する方法


では、YouTubeの著作権侵害の申し立てを解除する方法をご紹介します。

著作権者に申し立ての解除を依頼する


1つ目の方法は、音源素材を作成したクリエイターもしくはその作品の使用許諾を行った企業へ直接問い合わせる、というものです。

使用許諾を行った企業が著作権を保有している場合、すでに申し立ての解除まで手続きが進んでいる場合があります。その場合はすぐに解決できることも多いので、まずは企業に問い合わせてみましょう。

使用許諾を行った企業が、音源素材を作成したクリエイターの連絡先を開示している場合もあります。その場合はクリエイターに直接連絡を取って著作権侵害の申し立てを解除するように依頼してみてください。

異議申し立てを申請する


もう1つの方法は、Content IDに異議申し立てを提出する、というものです。クリエイターや著作権を保有する会社と連絡が取れない場合に有効です。

異議申し立てを行うには、次の手順に沿って手続きを進めます。


  1. YouTube Studioにログイン

  2. 左側のメニューから「コンテンツ」を選択

  3. 該当する動画の横に「著作権侵害の申し立て」の項目がある

  4. その「著作権侵害の申し立て」の項目の「詳細を表示」をクリック

  5. 詳細画面の中にある「異議申し立て」を選択



後は画面の案内に沿って手続きを進めていきましょう。

まとめ


YouTubeからいきなり著作権侵害の申し立てが届くと驚くことも多いでしょう。

この通知は、動画内の音源素材などを無断で利用していない限りは放置や無視して構いません。

一方で、その動画の広告収入はすべて著作権者の手元に入ってしまう点には注意が必要です。その動画の収益化を有効にするには、著作権侵害の申し立ての解除や異議申し立てを行う必要があります。

もしYouTubeからこのようなメールが届いたときは、慌てず冷静に対処しましょう。

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